夢酒夜話(八) ジャケットとジーンズの伝説

 【ご注意】 この記事には独断と偏見と大妄想が含まれている可能性があります。(店主)


 今ではジャケパンというスタイルが確立して、テーラードジャケットにジーンズを合わせることは、ちっとも珍しくないですよね。元はと言うと、アメリカの学生が1960年代からやってたそうです。
 では、これをわが国で初めて実践した人物は誰か?

 このワシなんですよ。        たぶん。

 1970年前後からジーンズが流行りだして、夢酒はリアルタイムでその波に乗った訳ですが、そこには思わぬ盲点がありました。
 それは今で言うトップスでしてね、夏ならTシャツやポロシャツでいいけど、秋冬になると上に何を着たらいいのか分からない。学生服ってのも変だし。なにしろそれまでファッションには縁のない田舎少年でしたから。
 思いつくのはジャンパー(ブルゾンという言葉はなかった)かハーフコート(みたいなもの)くらいで、もっと寒くなると、とっくりセーターを中に着込む。都会育ちの裕福そうな子はダッフルコートやピーコートね。そうそう、ランチコートというのもあったな。ダウンジャケット? そんなのあるわけないじゃないですか。

 それで思い出したんですが、その頃アダモの「ブルージーンと皮ジャンパー」という歌がありました。
 もうね、ジーンズと革ジャンでパリの街を歩く若者の姿を想像して、なんてかっこいいんだべ!と悶絶しましたよ。後になって原曲の歌詞を辞書と首っ引きで訳してみたら、思ってたのとは真逆の内容でしたけどね。
 いずれにしても革ジャンはちょっとヘヴィだし、不良みたいに思われちゃう。それに高い。

 で、10月の初め頃だったか、Tシャツだけじゃ肌寒いから何か上に着なければ。けど革ジャン持ってないし。
 ま、いっかと一着しかない入学式以来のジャケットを引っ張り出して、Tシャツの上に着ていったんですよ。もちろんジーンズで。そげなヘンテコな恰好をしている奴は、周りに一人もいなかったと思います。
 ところがですよ、数日後にはジーンズにジャケ姿の男子がちらほら現れ、日ごとに増えていった(らしい)。
 実は夢酒は気が付かなかったけど、ある女子が教えてくれたんです。
 「広小路くん(←夢酒のこと)のジーンズと服の合わせ方が素敵ねって、みんなで言ってたわよ」と。

 先にも書いたように、ジーンズに合わせる上着はジャンパーと決まっていたし、きちんとする時はジャケットにアイロンのかかったパンツ(註:アイロンがない場合は寝押し)というのが学生の定番でした。そこへ夢酒は、心ならずも全く新しいファッションスタイルを持ち込んでしまった訳ですよ。
 テーラードジャケットにジーンズを合わせれば着崩し感が出せる。ジーンズにテーラードジャケットを合わせれば、ラフな印象が適度に薄められる。ジャケット派もジーンズ派もWIN-WINの絶妙なコーディネートだったんですな。後から思えば。
 やがてジャケット&ジーンズは、新しもの好きな人々に受け入れられて70年代の社会に浸透していきます。のちに大流行する紺ブレにジーンズなんて、ワシらとっくにやってましたて。
 すべては、あの遠い初秋の日、夢酒の「ま、いっか」から始まったのです。

 惜しむべきことに、そのとき夢酒は、せっかくの女子の好意に対して、「ふーん、こんなのがね~」と、素っ気ない態度を取ってしまったのです。致命的なしくじりでした。それで愛想を尽かされちゃったみたいです。「せっかく教えてあげたのに、何よ、この馬鹿男は」という訳です。「女は面倒くさい」(ルパン三世氏 次元大介氏談)とはいえ、これは当然の報いでした。みすみすモテ期を逃しました。
 本当は嬉しかったくせに、自分、不器用なので、何て言えばいいのか分からなかったんですね。ああ、あのときのワシを、どつき倒してやりたい!

 あのとき彼女の言葉に素直に食いついていれば、伝説の男になってたかも知れん。と悔やんでも、45年以上も前のことなので、今さらどうにもなりません。



~以下蛇足~


 ところで、成壮年男子がジャケットにジーンズを合わせるときに、一番注意しなければならないことは何か。
 革靴を履くことを前提に言うと、ジーンズの裾丈なのであります。
 その場合、カタチはストレート、もしくはタイト(スリム)ストレートが望ましい。サイズが合っていれば少々ヨレていてもかまわない。ただし臭そうなのはアウトです。モテオヤジは清潔第一でお願いします。
 で、裾丈はワンクッションが理想です。長すぎると足首でもたついて、オッサンファッションになります。膝下から一折れして靴の甲にかかるストレートなラインが男の見せどころなので、短すぎてもいけません。ロールアップすればいいじゃんと言われるかも知れませんが、アレは女性や子供なら可愛いけど、いいトシこいた男がやるもんではありません。

 他のパンツでもそうですが、ジーンズもベストな裾丈を決めるのは難しい。男の場合、重力の法則でだんだんズリ落ちて行くので、ウエストで穿いていたつもりが、いつの間にか腰穿き状態になってたりします。腹が出てくる年頃だとなおさらです。そうすると、ちょうど良かったはずなのに、ヤバい、長すぎたと後悔することになるのです。
 そこで夢酒は、最初はウエスト穿きで、かかとが床に触れるくらいの長さで切ってもらい、しばらく穿いてアタリがついてから、再調整してもらうことにしました。夢酒の試算では3センチ5ミリ詰めることになります。
 二度手間になるし、ショップにもご面倒をおかけしますが、ライトオンはいつでもどうぞと言ってくれるので、ダンディ夢酒としては、これしきの手間を惜しんではならないのであります。



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この記事へのコメント

2016年02月29日 22:09
若い男って、しょうもない強がり言って、チャンスを逃すって
ありますよね。
今の子よりも、昔の人はそれが強いんでしょうね。

最後の補足説明、役に立ちます!
ここまでしないといけないんすね。
裾丈合わせの時、少しでも足を長くみせようとして合わせたため
丈が長くなって後悔した事有り(^_^;)
2016年03月01日 00:34
連隊長殿!誠にもーすわげねことだす←どこの人よ?
あのあと酔い醒めとともに記憶が蘇れば、「女は面倒くさい」のセリフは、ようよう考えてみたらルパンではあらしまへんかった(ふつーに考えてもそうですわな)

このセリフ吐いたんは、他でもない次元大介でした。確かルパンが峯不二子に翻弄されてるのを見て、そして自分も女の影を漂わせての回でのセリフだったかと・・・(ここもあやふやではありますが)

で、その更に上を行ったのが、石川五右衛門でした。
「女は魔物」だったか「魔性のモノ」だったか?
それでいて、次元も五右衛門も、女で懲りるような失敗をしているという(笑)

ほんにほんに、おなごはんっちゅうもんは、本意にならしまへんもんだすな~。
しかし、それがいてへんことには生きていかれへんのが男。
これまた難儀なことだす(苦笑)
夢酒広小路
2016年03月01日 21:01
>りーにんさん
思うに彼女は、大好きな広小路くんに喜んでもらいたかったんでしょうな。「みんなで言ってた」というのは実は取り繕いで、彼女自身が素敵だと思ったからでしょう。思い切って告白した(違う?)のに、そんな態度を取られたら立つ瀬がありませんよね。深く傷つけてしまいました。土下座して謝りたいです。(←大妄想炸裂)
これには後日談がありまして、お前なんでふくれてるんだよと聞いたら、「あなたは無神経な言い方が多すぎるのよ」と言われてしまいました。ほんとはいい奴なのに・・・(泣)。
青春のほろ苦い思い出でございます。

裾丈の調整はなかなか難しいですな。
夢酒がロールアップを否定するのは、見た目だけではなく、長かったら裾をまくればいいというイージーな考え方が、ワシのダンディズムに反するからなのであります。
ジャケットの袖丈もそうです。こないだのはちょっと長めだったけど(冷や汗)。
若者ならどんな風にでもカバーできますが、オヤジは勝負するところが決まっているのです(キッパリ)。
夢酒広小路
2016年03月01日 21:06
>をやかた
をやかたはんは、いつから大阪人にならはったんだすか?
びっくりぽんやわ。
(以下標準語)
こっそり訂正しときましたわ。
次元大介氏には「おっさんをなめんなよ」(だったかな)という名言があったような気がする。
うちの息子は中学2年にして「女は不条理だ」という超名言を吐きよりましたわ。
こいつ天才かと思いましたよ(笑)。
まあ女性、とくにカミさんには逆らわん方が、あんさんの身のためだす。
ええことなんもあらしまへん。
黙って耐えるのが一番よろしゅうおす。(いつの間にか関西弁)

あれ、なんだか話の本筋とズレてきたような。