夢酒、ジーンズ道を語る

 前の記事で、註釈を付け加えようと思ったら、想定外に膨らんでしまったので、こちらにまとめました。
 普段はサボっているのに、書き出すと止まらないのがボクの悪い癖・・・。


[註1] ベルボトムとは何だったのか
 夢酒は、メーカーとかブランドにこだわりはなく(というより何も知らず)、とにかくジーパンであればよかった。行きつけの小さなジーパン屋は品数も限られていたから、選ぶ手間が省けた。
 2本のうち1本はビッグジョンで、周りもこれを穿いている者が多かった。M4002 4パッチベルボトムというモデルである。1969年発売で、夢酒が購入したのは70年だから、まさにピークの絶頂(←言い方変です)。その名の通りポケットの数は4個で、フロントもパッチポケットだった。ボタンフライとジッパーフライがあって、夢酒が着用していたのはジッパーフライである。このモデルは歴史的傑作とされ、「神シルエット」の復活を望む声もあるようだが、果たして今の体型で穿けるのか?
 もう1本はメーカー不明。というか、思い出せん。ステッチに特徴があって、アウトシームに2本のステッチが施されていた(ラングラーではない)。しかもボタンフライで、そこがまたオシャレというかマニアックでね。同じ物を穿いてる奴を見たことはなかったから、マイナーなメーカーだったのだろう。そう言えば、後ろのポケットは×字のステッチだった(と思う)。心当たりのある方、教えて下さい。
 これらの69~70年型ベルボトムに特徴的なのは、4パッチポケットのほか、普通のジーパンに見られるような、後ろのベルト下の切り返し(バックヨークというらしい)がないことである。尻ポケットの位置を高くして脚が長く見えるように、とのことだったと思うが、おマタを締め上げられるようで、股間は窮屈を極めた。
 思うに、このスタイルが一世を風靡した要因は、人気ミュージシャン、中でも吉田拓郎の絶大な影響力であろう。拓郎のレコードジャケットに引きつけられたご同輩は、大勢おられるはずだ。


[註2] ジーンズのお手入れについて思う
 ジーパンは洗ってはならぬというのが昔の定説だった。半年くらい穿き込んでやっと初めてのお洗濯という強者もいた。夢酒は清潔をモットーとしていたので、せっせと洗っていた。友人の部屋へ行くと異臭が漂い、これでは彼女も逃げ出すだろうと思った。他山の石である。
 今でこそジーンズは裏返してネットに入れて洗いましょうとか日陰干ししましょうとか言われるが、そげなことはお構いなしだった。洗ったらパタパタはたいて、そのまま物干し竿に吊しておけばよかった。中には穿き込んだかの如き風合いを出すために、膝のあたりをタワシやペーパーでこする奴もいた。アスファルトの上に直置きして、自転車で何度も轢いている奴を見たときは、さすがにドン引きした。
 結局のところ、ジーンズの取扱いに気を遣う必要は何もない。それがオールド・ジーニスト夢酒の答えである。今の染色技術は格段に向上している筈だから、ちゃんとしたメーカーのものなら、週一で洗濯機に放り込んでも、1年やそこらで色抜けしてしまうことはない(であろう)。ま、裏返して洗うのはいいことでしょうけど。
 だからといって、むやみに乱暴に扱うのはダメである。製造者に失礼であるばかりか、自分の誇りも傷つけることになるからである。中古の破れジーンズがとんでもない高値で売られているようだが、いかなる了見であろうか。安ければこその古着ではないのか。
 ジーンズは魅力的なアイテムではあれど、所詮は汗が似合う労働着である。日陰よりも、お天道様の下でパリッと乾かした方が気持ちいいに決まっている(女性からの異論は認める)。オノレの分身として愛しみつつ、クタクタになるまで穿き倒せばいい、と夢酒は思う。


[註3] 1970年のジャンヌ・ダルクたち
 この頃はまだ「ジーパンは男の物」という認識が根強かった。ちなみに夢酒の高校時代には不良が穿く物だったので、初めてジーパンを買うときはワクワクした。
 女子に普及するのは60年代の終わりから70年代の初めにかけてだと思うが、それはいわゆる「ウーマンリブ」の運動と深く関わっていた。ジーパンは前開きであり、それまでの女性のスラックスとは基本的に構造が異なっていたからである。従姉がボタンフライのジーパンを穿いているのを指して、伯母が「出すモノもないくせに」と言い放ったことは、今でも語り草である。
 さらに言えば、ジーパンは下半身のカタチがモロに出る訳で、当時の若い女性には少なからず抵抗感や恥じらいがあったことであろう。しかし彼女たちは怯まなかった。とまどう世間を尻目に、Tシャツ・ジーパンというスタイルは、またたく間に女性のファッションを変えた。限りなく自由にした。昨日までのスカートをジーパンに穿き替えて躍動するジャンヌ(Jeanne)たちの姿は、今もまぶしく眼裏に蘇るのである。
 ここで疑問が生じるのだが、当時のジーパンは男女共用だったのだろうか? 70年代初頭に、今みたいに女性用のジーンズは普通に売られていたのだろうか? ・・・変なこと考えてすいません。
 ひとつ覚えているのは、クラスにジーパンを綺麗に穿いている女子がいて、思わず「かっこいいね」と言ったら、「レディースキャントンよ」と答えたことである。
 キャントン(CANTON)とはビッグジョンの別ブランド?で、初の国産ジーンズとも言われている。もしかしたら、最初の女性用ジーンズもキャントンだったかも知れない。


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