儺追布(なおいぎれ)

19日に「国府宮のはだか祭り」が行われました。
ところが、いつもなら「おーい、ナオイギレ持ってきたったぞ~」と言って来るはずの悪友が今年は来やせん。
「どーせおみゃーなんか厄だらけだで、これをどっかに巻きつけとけや」と、何年も前から、祭りのあくる日くらいには決まって持ってきてくれるのに。

実は、暮れに奥さんのお母さんが亡くなり、喪中では裸男になれないので後方支援に回ったようです。
そうそう、彼は毎年国府宮の裸男になっている常連なのです。

いつも持ってきてくれるのは、自分が締めた鉢巻き。それを半分に裂いて(ハサミで切ってはいけない)、お前にやるから厄払いのお守りにしろと言うわけです。儺追布は本来神社で買うべきなんでしょうが、青、黄、緑と色とりどりの鉢巻きをお守りにするのも一般的に行われているようですね。
ただの布きれではない。裸男の誇りとでも言うべき汗と涙?のタマモノであり、友情の印として有り難く貰っています。
で、それをさらに半分に裂いて別の奴にやったりして、だんだん痩せ細って紐みたいになってまう(笑) ご利益も薄くなるんでしょうか。

はだか祭りは、正式には「儺追神事」と言って、厄を一身に背負った「儺負人(なおいにん)」に裸男たちが触れることによって厄落としをするもの。
昔は男の本厄は25歳で、42歳はよくぞここまで生きたという祝い事だったそうですが、今ではこれからが人生の本番です。これでもかというほどに仕事は増え、言い訳できぬ世間の荒波に晒され、社会的責任は圧倒的に重くなる一方で、体力は確実に落ちていく。そして、ここをどう生きるかが次の自分を決定する。
まさに司馬遼太郎さんの言う「四十の関所」(『風塵抄』から)です。

オラなど、厄年なんか迷信だいと反発しつつ、かといって村のオキテや周りの言うことに逆らうほどの根性もなく、なんとなくお祓いをしてもらい、その場その場をやり過ごしてきた。未だに関所を抜けたかどうかも本当はわからない。しかし、弟はようやく関所を越えたところで力尽きてしまった。
結局、現在関所を通過中の男たちは、ほとんど「ふりつもる大仕事という雪に耐えることで精一杯」(前掲)なのであって、実際は厄払いの儀式どころではないのでしょう。

今、その年代を振り返る歳になってできるのは、これから四十路の関所を越えてゆこうとする若い友人たちを励まし、行く手の安全を切に祈ること。「はだか祭り」は見かけの荒っぽさとは裏腹に、そのような庶民の優しさに満ちた行事なのだと思います。

悪友よ、来年はまた「儺追布」頼む。(←自分で買うか裸男になれと言われそうですね)
 

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この記事へのコメント

2008年02月23日 23:17
私の儺追布、全然数が足りません。(笑)
ドラゴンズ制覇祈願には、やはり青い儺追布が相応しいと思います。
男達に受け継がれた伝統と歴史を感じます。
来年は儺追布の返納に訪れる予定でいます。
広小路栄
2008年02月24日 17:55
>はくばさん
琉球国から有り難うございます。
仕事とキャンプ視察(喝入れ?)、しっかりお願いします。
はだか祭りは春を告げる行事でもあるのですが、
こっちは雪の舞うような気候なので、仮冬眠です(苦笑)

「男達に受け継がれた伝統と歴史」、
儺追布は、先人から託されたタスキのようなものでもありますね。
ただ・・・、
できれば青く染めて、戦勝祈願用として下さい(笑)